ある日の福岡市内。ホテルで私はインタビューを受けていた。

今後のHAEの啓発ビデオを作成するためのものだ。

何名かの人が同じように全国各地でインタビューを受けており、
私はその1人としてその日仕事を終えてそのまま
上着を羽織って待ち合わせに直行した。

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撮影スタッフの方達。

とても穏やかな天気の良い日で、
福岡市内の公園でゆっくり話をしながら
スタッフの方達ともすっかり和んでしまい。 

インタビュー撮影のためホテルの一室に
入った時にはとてもリラックスしていたと思う。 

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特に私の場合、事務局長として顔を出して
自分の病気の状態を話す機会も多く、
この日もそれまでと同じように診断がつくまで、
そして診断がついてからの話などをして欲しいと
事前に聞いていた。 

撮影はとても順調に進み何か他に付け足す話や、
撮り直しが必要なところはあるかという段階に。

その時、スタッフの一人の方が私に質問した。

「当時のご自分に、何か伝えるとしたら
 なんと伝えますか? 」

とても良い質問だなと思った。

きっと見る人は思っているだろう。
そして実際に言われたことは、 

難病とわかり、とても大変な想いをしたかもしれない。
でも今は患者会で事務局長として活躍し、
その他色々な活動も積極的に行い、
とても前向きに今を生きているように思う。

だからこそ、今、過去の自分になんて
言うだろうか?という質問なのだ。 

でも答えようと思った瞬間。

私はそれまでの過去の出来事の
あまりにも多すぎる、辛すぎる1つ1つが
心に、頭に、目の奥に次々映像のように
浮かび上がり、言葉を失ってしまった。

何か言おうとすると涙が出そうで、
泣きながら話すなんて全く想像もしていなかった。

何度も涙をこらえて、振り絞るように
小さな声でやっと言えたこと。

それは、

「今、とても辛い忍耐の中にあると思うけれど、

 必ず道が開ける日が来るので・・。 

 どんなに小さな出来事や経験したことも、
 
 役に立つ日が来るので・・・。

 どうか、、生き抜いてください。」

というものだった。
会場全体が静まり返り、
男性のスタッフの方達の目にも涙があった。  

自分でもまさかそのような言葉が出るとは
本当に想いもしなかった。 

「生き抜いてください」

それがまさに私のHAE患者としての過去であり、 
生きるか死ぬかの日々の中にあり、
そしてそれは決してまだ何一つ
消え去ってはいないんだ。

そう強く感じる瞬間でもあった。 

なぜ死ねないのか。
なぜ死ぬことができないのか。
いつまでこの苦しみに耐えなくてはならないのか。

ずっとそう思い続けていた
あの日の苦しみは確かに今は薄れている。

でもあの日そう思っていた自分は、
今もまだ自分の中にあり、
HAEという病気がどれほどの孤独と
苦しみを生んでいたのかを、
改めて感じたのだった。 


「どうか生き抜いてください」 

そして未来のあなたと私へ。

「時代は変わります。きっともう
 あなたも私も大丈夫です。」