遺伝性血管性浮腫患者会(NPO法人HAEJ)公式ブログ

事務局長の今村がHAEJの活動裏話やHAEについての情報などを ゆるりとお届けいたします。

2018年12月

「生き抜いてください」過去の自分に伝えた涙の言葉


ある日の福岡市内。ホテルで私はインタビューを受けていた。

今後のHAEの啓発ビデオを作成するためのものだ。

何名かの人が同じように全国各地でインタビューを受けており、
私はその1人としてその日仕事を終えてそのまま
上着を羽織って待ち合わせに直行した。

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撮影スタッフの方達。

とても穏やかな天気の良い日で、
福岡市内の公園でゆっくり話をしながら
スタッフの方達ともすっかり和んでしまい。 

インタビュー撮影のためホテルの一室に
入った時にはとてもリラックスしていたと思う。 

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特に私の場合、事務局長として顔を出して
自分の病気の状態を話す機会も多く、
この日もそれまでと同じように診断がつくまで、
そして診断がついてからの話などをして欲しいと
事前に聞いていた。 

撮影はとても順調に進み何か他に付け足す話や、
撮り直しが必要なところはあるかという段階に。

その時、スタッフの一人の方が私に質問した。

「当時のご自分に、何か伝えるとしたら
 なんと伝えますか? 」

とても良い質問だなと思った。

きっと見る人は思っているだろう。
そして実際に言われたことは、 

難病とわかり、とても大変な想いをしたかもしれない。
でも今は患者会で事務局長として活躍し、
その他色々な活動も積極的に行い、
とても前向きに今を生きているように思う。

だからこそ、今、過去の自分になんて
言うだろうか?という質問なのだ。 

でも答えようと思った瞬間。

私はそれまでの過去の出来事の
あまりにも多すぎる、辛すぎる1つ1つが
心に、頭に、目の奥に次々映像のように
浮かび上がり、言葉を失ってしまった。

何か言おうとすると涙が出そうで、
泣きながら話すなんて全く想像もしていなかった。

何度も涙をこらえて、振り絞るように
小さな声でやっと言えたこと。

それは、

「今、とても辛い忍耐の中にあると思うけれど、

 必ず道が開ける日が来るので・・。 

 どんなに小さな出来事や経験したことも、
 
 役に立つ日が来るので・・・。

 どうか、、生き抜いてください。」

というものだった。
会場全体が静まり返り、
男性のスタッフの方達の目にも涙があった。  

自分でもまさかそのような言葉が出るとは
本当に想いもしなかった。 

「生き抜いてください」

それがまさに私のHAE患者としての過去であり、 
生きるか死ぬかの日々の中にあり、
そしてそれは決してまだ何一つ
消え去ってはいないんだ。

そう強く感じる瞬間でもあった。 

なぜ死ねないのか。
なぜ死ぬことができないのか。
いつまでこの苦しみに耐えなくてはならないのか。

ずっとそう思い続けていた
あの日の苦しみは確かに今は薄れている。

でもあの日そう思っていた自分は、
今もまだ自分の中にあり、
HAEという病気がどれほどの孤独と
苦しみを生んでいたのかを、
改めて感じたのだった。 


「どうか生き抜いてください」 

そして未来のあなたと私へ。

「時代は変わります。きっともう
 あなたも私も大丈夫です。」



 












ソフトバンク通信障害のおかげ?いつでもどこでも啓発活動


12月6日、ソフトバンクの携帯がつながらなくなるという
大規模な通信障害がありました。 

ちょうどその頃私は福岡から羽田へ、
シャイアー社のメディアセミナーに参加するべく移動しており、
空港のWiFiを利用していたのでさほど影響を感じず、
ただ、「なんで圏外になっているんだろう?」
程度の感覚でした。

でも、羽田に到着してみるとやはりスマホが使えず。
タクシーでの移動中何もすることもなく。

せっかくなのでタクシーの運転手さんと
お話しすることに笑。 

私はイスラム教徒のため頭に布を巻いている
こともあって、いつでもどこでも、
タクシーに乗ると、 

「YOUは何しに?」

な質問をされることがよくあります。

普段はそれほど深く答えないのですが、
この日は暇でしたし気が向いたので、

・自分は難病患者であること
・30年以上前まで日本で唯一の患者ではないかと
 思われていたこと
・最近は400名くらい患者が見つかってきたこと
・28年ぶりに新薬が出ることになりその啓発のため
 お話をしに東京に来たこと 

などを話してみたんですね。

するとどうでしょう? 

「28年ぶりに・・」

という言葉を聴いて運転手さんが、

「え!!あの!?武田製薬に買収されたっていう、
 あーどこだったかなー外国の製薬会社」

というではありませんか笑 

「そーそーその会社の薬を使う患者です!」

と言ったら、

なんとその運転手さん、

・実は会社の同僚のお子さんが希少疾患で
・難病認定されるための署名活動を社内でしたこと
・だから難病の人に少し興味があって
・あ~~~!あなたがあの新薬を使う患者さんとは!


とすごく感動してくださって。。

がんばれーがんばれ!
って言ってもらい、

様々なニュースや報道のなかから、
こうして目に、心に留めていてくださる
方達がいるんだな、、と改めてメディアの
影響力を感じましたし、ただ自分が難病患者で
あったというだけで、こうして応援してもらえて。

とてもありがたいことだなぁ、、と。
すごく勇気をいただきました。 


ソフトバンクの通信障害はとても大変だった
方達もいると思いますが、私にとっては
そのおかげでとても良い出会いと心温まる
時間を過ごすことができました。 

運転手さん、ありがとうございます!!









製薬会社は敵なのか?遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療と未来


すごいタイトルですが。

「製薬会社」
と聞くだけでなんだか怪しいとか、
嫌だとか思う人。多いと思うんですよね。

製薬会社が儲けるようにうんぬんとか。
製薬会社が儲けがないから薬が開発されないとか。
製薬会社と医師がくっついてうんぬんとか。
製薬会社が患者情報をうんぬんとか。

まぁあることないこと。

でもこれは私の全く個人的な考えですが、

「製薬会社は儲けて欲しい」

と思っています。 

えええ!?と思うかもしれません。

でも。企業ですからね。
正当に利益を得ることは全く問題ないと思うんです。

またその企業で働く人たちには、
家族やその人たちの人生もあるわけで。

だから真っ当に働いて
ちゃんとお給料もらうことは問題ないと思うんです。

過去には儲けが出ないために、
研究はおろか必要であったにもかかわらず、
無くなってしまった薬剤も世の中にはあります。

もちろん、患者としてその理不尽さは感じます。 

けれど赤字の中でさらにはボランティアで
薬を作ることはできないのです。 

私はむしろ企業にはしっかり稼いでもらって、
そのお金をどんどん善いことに還元して欲しいと
思うんですよね。

当然そこには研究や学会開催などのスポンサーとしても
力を発揮して欲しいと思いますし、 
啓発活動1つとってもお金がなくてはできない
ことばかりなんですよ。 

なのでうんと力をつけて、力強いサポーターで
あって欲しいなと思ったりもします。

でもそれだけではないんですよね。 

遺伝性血管性浮腫(HAE)に関わっている先生や、
別の製薬会社さん同士の話を聞いていると
必ず出てくる言葉あります。

それは、

「同志ですから」

という言葉です。

HAEは希少疾患です。
同じ県に自分と同じ患者さんと
出会うことはほとんどないでしょう。

つまりその地域の先生方にとっても、
同じ病院の中でさえ、この同じ病気を
いっしょに診て、いっしょに考え、
研究していこう!なんて先生がまったく
いない職場の中で日々診療にあたっている
先生もとても多いのです。 

そんな中で今必死に日本の医療を変えていこう。
もっと適切な環境にしていこう。

そうがんばってくださっています。

それは、

患者がいくら声を集めても、
先生方がいくら研究しようとしても
製薬会社さんがいくら良い薬を運びたくても

みんながいっしょに協力し合わないと、
うまく回らないのです。

例え良い薬があったとしても、

先生がそれを知らない
患者さんが病院へ来ない

ということがあれば全く効果を出せません。

そんなわけないでしょう。
と思うかもしれませんが、
HAEの診療は今ほとんどの人が
そういった状況です。

患者さんがもっといるはずですが、
見つかっていないのです。

見つかっていないので
先生方も見たことがなく、
例え見たとしても前例がないので
適切に治療がすぐできるわけではなく
たった1人、または数名の担当患者さんと
いっしょに試行錯誤なのです。

患者会は医師・製薬会社と共に
歩まないといけない時代だと私は思います。

製薬会社や医師主導の研究・治療ではなく、
患者がそこに入って共に考えていく。

3者がそれぞれに「同志」なのです。

儲けだけ考える人が物事を主導すれば、
不利益や理不尽さを感じる結果になるでしょう。

権利や立場ばかりを考える人が主導すれば
形だけで実益のないモノがただ存在するだけの
結果になるでしょう。

不満ばかりを考えている人が主導すれば、
皆がその人たちのために何かしようと
する気持ちを削ぐことになり、
本来の課題は見えなくなり改善は見込めくなるでしょう。 

だからこそ、3者がどのように進めていくか。
よく話し合って、それぞれの思惑の中で、
それぞれの大変さの中で、可能な限り
努力し合うことが大切だと思うのです。

今週は東京へ出張し、2度そのような会へ
お邪魔させていただきます。 

色々な人たちを巻き込みながら、
「同志」
を増やしていきたいと思います。

応援してくださいね。 











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