遺伝性血管性浮腫患者会(NPO法人HAEJ)公式ブログ

事務局長の今村がHAEJの活動裏話やHAEについての情報などを ゆるりとお届けいたします。

HAEJの活動

ソフトバンク通信障害のおかげ?いつでもどこでも啓発活動


12月6日、ソフトバンクの携帯がつながらなくなるという
大規模な通信障害がありました。 

ちょうどその頃私は福岡から羽田へ、
シャイアー社のメディアセミナーに参加するべく移動しており、
空港のWiFiを利用していたのでさほど影響を感じず、
ただ、「なんで圏外になっているんだろう?」
程度の感覚でした。

でも、羽田に到着してみるとやはりスマホが使えず。
タクシーでの移動中何もすることもなく。

せっかくなのでタクシーの運転手さんと
お話しすることに笑。 

私はイスラム教徒のため頭に布を巻いている
こともあって、いつでもどこでも、
タクシーに乗ると、 

「YOUは何しに?」

な質問をされることがよくあります。

普段はそれほど深く答えないのですが、
この日は暇でしたし気が向いたので、

・自分は難病患者であること
・30年以上前まで日本で唯一の患者ではないかと
 思われていたこと
・最近は400名くらい患者が見つかってきたこと
・28年ぶりに新薬が出ることになりその啓発のため
 お話をしに東京に来たこと 

などを話してみたんですね。

するとどうでしょう? 

「28年ぶりに・・」

という言葉を聴いて運転手さんが、

「え!!あの!?武田製薬に買収されたっていう、
 あーどこだったかなー外国の製薬会社」

というではありませんか笑 

「そーそーその会社の薬を使う患者です!」

と言ったら、

なんとその運転手さん、

・実は会社の同僚のお子さんが希少疾患で
・難病認定されるための署名活動を社内でしたこと
・だから難病の人に少し興味があって
・あ~~~!あなたがあの新薬を使う患者さんとは!


とすごく感動してくださって。。

がんばれーがんばれ!
って言ってもらい、

様々なニュースや報道のなかから、
こうして目に、心に留めていてくださる
方達がいるんだな、、と改めてメディアの
影響力を感じましたし、ただ自分が難病患者で
あったというだけで、こうして応援してもらえて。

とてもありがたいことだなぁ、、と。
すごく勇気をいただきました。 


ソフトバンクの通信障害はとても大変だった
方達もいると思いますが、私にとっては
そのおかげでとても良い出会いと心温まる
時間を過ごすことができました。 

運転手さん、ありがとうございます!!









疾患啓発にメディアは有効?地域特性も視野に入れる必要性


遺伝性血管性浮腫(HAE)は希少・難病です。

希少というからには、本当に少ないわけです。

どれくらい少ないかというと現在日本で
診断されている人は400名ほどですが、
日本で400名と言ってもイマイチわかりづらいかも。

ざっと考えてあなたが住んでいる地域に、
同じ病気の人が「あなただけ」という場合もあれば、
数名いるようだが会ったことはない。
という方がイメージしやすいかと思います。

そんな希少疾患に対して、私たち患者会や
先生方は「疾患の認知度を上げよう!」とか
「診断率を上げて適切な治療を受けられるように!」
とか本気で思って日々行動しているわけですが。

個人で日々旗でも持って歩いてない限り
なかなかに限界があります・・・。 

そしてやはりメディアの影響というのは
とても大きいのです。 

たった1行「遺伝性血管性浮腫」という名前が
新聞に出るだけでもその影響力を実感として
感じることがあります。

特にHAE専門外来を立ち上げているような
先生方にとっては、こうしたメディアで紹介されると、

「私ももしかして・・」

という「ひょっとして外来」に来る患者さんが
増えるそうです。
実際に「ひょっとして外来」などという名前が
あるわけではありませんよ(笑)。


先日Global Journal of Medical and Clinical Case Reportsという
ところで、このメディアで取り上げられると、
その後にHAE専門外来を訪れる人が増えるという
結果が論文で出されました。 

タイトルは、
Mass media information can
facilitate early diagnose of hereditary
angioedema

というもので早期発見と診断にメディアの力は
一役かってくれているようです。

お見せしたいけどPDFの投稿方法が
よくわからず、、、タイトルだけですいませんT_T 


でもどうでしょう??

大手のメディアがいいのでしょうか。
新聞ならどこの新聞社が有効でしょう??

確かに大手の新聞社にHAEの記事を出して
いただいたことがあり、その反響は
とても大きかったと記憶しています。

しかし、、、。

実はそれは私の住む福岡ではあまり
読まれていない新聞で、関東の方には
とても良かった、、という印象でした。

また、メディアの影響力は瞬発力が
ものすごいあります。

出た時はものすごいのです。
でも持続力はというと少々疑問があります。

ですから、疾患啓発をメディアでしていこうと
思うのであれば、何度となく小さな記事でも
いいので、じわじわと取り上げてもらうのも
大事かもしれません。

そして欠かせないのが「ローカル新聞」の強さです。

大都市の方はあまり実感がないかも
しれませんが実は地域によっては、
「地域誌」と呼ばれるものや、
その地域で人気のある、そこに載ると信頼される、
認知度の高い新聞というものがあります。

そういった新聞で取り上げられると、
その地域に住む人にとってより身近で、
より自分のことのように感じて興味を
持ってくれると私は思います。 

というわけで。。。

これは全くの個人的な取材でしたが、
ついでに?病名も入れていただきました笑。 

こちらは河北新報さん。 

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こちらは福岡の西日本新聞社さんです。


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実はこれはどちらも同じ記事で、
取材は共同通信社の方がしたものです。

ネットで読むことができます。 

共同通信社「隣に暮らすムスリム6」

少しでも病名が目に入り、
何か啓発につながれば、、と思う次第です。



「歴史と共に未来を描く」29年ぶりの新薬にかける想いとは?


先日東京の御茶ノ水で行われた
製薬会社のシャイアージャパン株式会社の
全社会議にて1時間HAEについて語っていいという
ありがたい時間をいただき、講演させていただきました。

勝手につけさせていただいたタイトルと
スライドがこちら。 

スライド1

シャイアー社では遺伝性血管性浮腫(HAE)の
在宅自己注射薬として2017年7月に厚生労働省へ
その製造販売承認の申請を出しており、
これが認められれば29年ぶりの新薬か?と
期待度が高まっています。

▽イカチバント承認申請について  
https://www.shire.co.jp/newsroom/2017/july/gtix77



3日間様々な疾患について学んだり、
各班に分かれて会議を行うという初日は、
なんと1日中HAEについての時間割になっていると。

依頼を受けた時点では、
「あ、いいですよ~(*´▽`*)」
とか気軽に返事をしてしまいましたが、、、

すげー気合入ってる( ゚Д゚)、、、というのが
プログラムからも伺える感じで。。

責任の重さにもうなんだか
ずっと発作出てる気がするーというぐらい
具合が悪かったです笑。

でも1日中HAEのことばかりしてるということで、
勝手に「Mini HAEDAY」とつけさせていただき、

企業の方達の気合に負けないだけの
何かを伝えなくてはとずっと考えていました。

そこで思いついたのが、
「29年」
という歴史でした。 

スライド2




講演の冒頭で、
「29年前、みなさんは何をしていましたか?」
そう問いかけた後、まず伝えたことは、

「29年前、、、私はHAEと診断されました」

という事実です。

そして調べたところ、
シャイアー社本社が設立された頃、
私が発作が出始めていたことを知りました。

なんという偶然でしょう。
当時の小さな私にいつかあなたは、
HAEの治療薬を開発している企業の
みなさんの前で自分のことを話しますよ。

と言ったとしても全く想像もできなかった
ことと思います。

最初のスライドでは、まるで私が
シャイアー社の社員のように、
気合たっぷりの想いを語るかのような
タイトルですが(笑)、そうではなく、

企業のみなさんが一生懸命
その新薬を開発されていた頃、

「私」という1人のHAE患者が
日本でどのように過ごし、
どのように未診断の時期を苦しみ、
診断後も適切な医療を受けることなく、
ただただ忍耐の中にあったのか。

ただ「むくみ」が出て、
数日したらおさまるというような
状態ではないのだということ。 

そしてどのようにして今のように
症状をコントロールするようになり、
そこにはどのような出会いが
あったからなのか。

私を通してその歴史を伝えること。
まずはそこからだと思いました。

そしてそれは決して過去のことではなく、
今もなお同じ人たちが全国各地に
いるのだという事実。

現在のHAE診療における
課題と実際の問題点なども
これまで患者会でみなさんから
お聞きしていることも踏まえて、
伝えさせていただきました。

あまり深刻な話が続いても
くたびれるので、、、。

こんなスライドもいましたが・・

スライド18


私が常々思っていることは、
患者として伝える際、

「ただ辛いことを訴えるだけ
 の話はしたくない」

そう思っています。

辛い人というのは世の中
たくさんいます。

手足の動かない人もいれば、
痛みが取れることのない日々を過ごす方、
徐々に病状が悪化していく人。
薬もなければ、難病指定も
されていない人たちなどなど。

HAEはそういった人たちを
考えると恵まれている方だと思っています。

でもそれだけではありません。

HAEの診療は「改善でき得る」ものなのです。
何をするべきか、それも明確なのです。 

常に感じていることはこの2点です。 

スライド32


スライド25


だからこそ、
「歴史と共に」そして「未来を描く」
ことを伝えたかったのです。

HAEJも関わらせていただいた、
HAEの症状記録アプリ「HAEノート」
にも触れさせていただき、 

スライド28


患者・企業・医療者がそれぞれの立場で
課題を共有し、共に同じ未来を描いていくこと。
そのための協力を惜しまないこと。
そして、その未来のために、

「いっしょに変えましょう」

今村講演写真 Shire


その言葉でしめくらせていただきました。

これは講演が終わって、
質問を受けている最中の写真ですが、

原稿なしに1時間ぶっ通しで
話し続けた後のため、、、。

置いてくださってた
特性の「HAEの水」をがぶがぶ
コップに注いで飲んでいました笑。 

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もっと余裕で話せる気力と体力が
欲しいです笑

でも250名以上の社員の皆様の前で、
HAEについて共有させていただける。

これは本当にありがたいことで。

そして皆さん全員が立ち上がって
拍手をしてくださって・・。 

もっとそこ喜ぶところなのでしょうけど、
もうフラフラだったもので、
喜ぶ余裕があまりなかったですが笑。 


でもちょっと嬉しかったのが、
講演直前にお会いした際、
社長さんが福岡が大好きだと
言ってくださって・・・。
(私現在福岡在住) 

福岡県民はですよ、
地元大好きなんですよー!
もうそう言われるのが大好き!!笑 

というわけで終わった後、
すぐに会場を出て駆け寄ってきて
くださった社長さんと、

もうなんだか魂抜けちゃったんじゃないか
っていうほどエネルギーを使い切った
私で写真をパシャリ・・・。 


講演後Shire


あ。意外と笑顔だったよかった。
飲んでたお水をちゃっかり持ってますね笑。 


新薬承認を心から期待しております!!! 












 

遺伝性血管性浮腫(HAE)患者の妊娠と出産


遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者さんの中には、
妊娠はもちろん、結婚ですらしてはいけない、
と思い込んでしまっていることがあります。

でもそれは誤りです。 

私自身「遺伝性」という病名であることから、
結婚や出産せずにいた方が、
子供や孫の代に病気の人を作らないで済む。

そう思い込んでいた時期があります。
でも国際患者会(HAEI)に参加した際、
非情にたくさんの方達が家族でHAEだよ~と言いつつも、
とっても幸せに、活き活きとした笑顔で
過ごしている様子に大変衝撃を受けました。

とはいえ、妊娠を機にHAEの症状が出た、
出産後発作が頻回になった。。など、

月経や妊娠、出産を機に症状に変化が起きる人も
多いようです。ただその発作の頻度や強さ、部位などは、
やはりその人それぞれ、、、といった感じもあります。

妊娠中はすごく発作が楽だったという方もいれば、
妊娠中の方がすごくきつかった、、という人もいたり、

産後も何年も発作の頻度が多かったという人もいれば、
1年前後でだいぶ楽になってきたという人もいたり。

産後はどんな場面で発作が起きやすいのでしょう? 

最近出産された方たちがいたので、
産後の様子をお聞きしたところ、

赤ちゃんを抱っこしているその重みで
頭や体を支えていた部位が腫れた。

ということもあるようです。

産後は寝不足にもなりますし、
一般のママさんたちでもおっぱいをあげる時や
寝かしつける際にずっと抱っこしていることで
腱鞘炎になったり、赤ちゃんの重みが
負担になることもありますよね。 

HAEの場合、疲労や寝不足は発作につながりやすいので、
HAEのママさんたちはより大変かもしれません。

でも、どうかあまり心配しすぎないでください。

みなさんほんと!
素晴らしいお子さんたちに育っていて、
お子さんも2人や3人いるご家庭もあります。

先輩ママさんたち同士、
時々会員さん用のLINEグループで
経験を教えてもらったり、
不安を書いてみたりとよい繋がりが
できていてなんだかこちらがほっこりします。

赤ちゃんのためにも元気でいなくちゃ!

と早めに症状をコントロール
されている方達もいます。

子育てをしながら自分自身のことを
優先するのはとても難しいと思いますが、
HAEJはそんなママさんたちを
少しでも応援したいと思っています。 


ーーーーーーーーーーーー
〇今後の予定〇

11/4(日)札幌交流会

12/15(土) 東京クリスマス会

2月    RDD神戸 

ーーーーーーーーーーーー















医師・研究者との間をもっと身近に。


6月30日に大阪で交流会を行いました。

▽交流会の報告はこちら
https://haej.org/news_blog/3049.html

参加してくださった研究者の方から、

これほど医師と患者の関係が身近で専門的な
 ディスカッションを行
う場は初めての経験でした。

という感想をいただきました。

実はこの「関係が身近」というものを、
私たちHAEJは目指してたので、
とても嬉しかったです。

国際患者会に初めて参加した時、
誰が研究者で誰が患者さんなのか、
全くわからないほどみなさん
すごく楽しそうに、そして質問も
どんどんされていて。

さらには、医師や研究者の先生方の
研究発表にも患者さんやご家族も参加していました。

このことはとても衝撃的で、
日本では学会に患者さんが入って聞く。
ということはほとんどできませんし、
研究論文も全て読めるというものは少ないのです。

日本でもぜひ海外のように
医師や研究者の先生と患者さんたちが
もっと身近に知識を求めたり、
逆に患者さん側が症状を伝えることで
新たな研究につながったり。。

そんな会をしたいとずっと思ってきました。

始めは私もなかなか質問とかできませんでしたが、
先日のウィーン国際患者会では、
アメリカのHAE研究をしている著名な
こちらズロー博士に自分の症状について
どのタイミングで治療をしたらいいいのか。
質問してみました。

IMG_0476

よく見ると私のカップには何も入ってませんね。

先生がコーヒーを飲んでる隙に、
私もコーヒー飲むフリしてがんばったのです笑。

私は発作の前や発作時にとても強い倦怠感が出ることが多く、
疲れた~~も言えないほどぐったりした後は、
よく発作になるんですよね。

それはもう発作なのか、前駆症状なのか。
疲れた時にC1インヒビター製剤を投与しても良いのか。

聞いたところ、

「同じように強い倦怠感を発作前に感じる。という
患者さんたちがいます。ただどのタイミングで治療するか、
これは難しい問題です。なぜなら全ての疲労感が発作とは
言いにくいですし、単なる疲労の場合もあるでしょう。
なので疲労=投与とは言えませんが、もしその倦怠感によって
日常に制約がある、仕事や家事ができない。
そういった支障があるなら、迷わず治療。それにつきます」

と最後はにっこり答えてくださいました!
C1インヒビター製剤は早く投与を、、と言いますが、
いったいどれくらいがいいのか自分の症状では
わからないところもあったので、聞いてよかったです。

もちろん日本では発作が起きてない予防投与は、
できませんし、やはりそこは見極めながらですね。 
 

こちらのドイツのボーグ先生もHAEの研究者では
知らない人はいないくらい有名な先生ですが、
メル友になっている最中です笑。  

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ボーク先生とは4年間のワシントンでお会いしていて、
なんと顔を覚えていてくれたんですよー!

わー!先生~~!
わ~~!!久しぶりですねー!!・・・え~っとどこで会ったんだったか。。

っていう笑いもありましたが笑。

それにしても先生方が長年多くの患者さんを診続けて研究されているのに、
新しい顔を診るとあなたの症状はどうですか?

と声をかけて色々聞いてくださいます。
なんだかそれだけでも嬉しくなっちゃいますね。

HAEJの交流会には様々な科の先生が
来てくださっています。

主治医とちがう先生にも、気軽に情報収集、
ぜひしてみて欲しいです!








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