遺伝性血管性浮腫患者会(NPO法人HAEJ)公式ブログ

事務局長の今村がHAEJの活動裏話やHAEについての情報などを ゆるりとお届けいたします。

治療のこと

どう取り組む?「新薬承認」


2018年9月21日、ついに待ちに待った
新薬承認のニュースがありました。

▽シャイアー・ジャパン 新薬承認のニュース
https://www.shire.co.jp/ja-jp/newsroom/2018/september/z7fk2h

私がHAEになり、未診断の時期も含めて34年。
治療薬を使い始めてまだ数年。

新薬がようやく承認され、
私はその知らせを聞いて、
号泣とかするのかと以前は
考えていました。 

でも実際には、さらに
身が引き締まる思い、、。
ぐっと緊張感を体に感じながら
そのニュースを読み、急いで
関係者の方へ連絡していました。

新薬が承認されると、
わー!と喜んで、
次病院に行くともうその薬が
入っているように思いますよね?

でも実際にはそうではありません。

通常新薬承認から、保険診療で
いくらで、どのように使用できるか。
細かなことが決まり、認められ、
そして実際に患者さんが実感として

「使えるようになった」

と思うまでには1年くらいは
かかってしまうのです。 

今でも3日おきに注射を打ちに
通院してる方達もいる中で、
悲鳴に近い声も時折寄せられます。

また、私たちの知らない間に、
未診断の方達の中には、
命を落としている人もいることでしょう。

私個人は34年も待ったのだから、
あと1年くらいもうすぐという
感じなのでは?

と思うかもしれません。
でも、もう私個人の益を求めて
いるのではありません。

HAEとその治療環境全体が
確実に整うことを活動目標に
挙げている今、この1年は
長すぎるとも感じる時間なのです。

そしてもうHAEで命を落とす人を
出したくない。

それが私と、HAEJと、
HAEに携わっている全ての人たちの
願いでもあります。 

現在すでに先生方や製薬会社さん、
大学の研究者の方達などが、
この承認のニュースをいかに
スムーズに適切な治療環境へと
もっていけるかを考えて
動いてくださっています。

また、世界で治療薬として使用されている
薬剤は、日本にあるものと同じ
C1インヒビター製剤と、今回承認された
イカチバント。その他に予防的な内服薬が
治験段階に入っています。

必ず良い方向で進められるよう、
私たちHAEJも引き続き活動を
していきます。

そして心から良いニュースとして
ご案内できる日を、みなさんと一緒に
喜びたいと思います。











難病患者の「症状コントロール」は○○が鍵?


ひとえに「難病患者」といっても
いろいろな疾患がありますので、
簡単に「症状コントロール」と言えない
状況の方もいるかもしれません。

あくまでも私と、お会いした患者さんの
なるほどフムフムな話と思ってお読みください。 

先日異なる病気ながら難病を持つ患者さんと
お話しする機会がありました。 

お互い病気は異なるのですが、
普段はある程度通常に生活できる病気同士です。

でも具合が悪くなると、薬剤を使用して、
対処していく必要があることは同じでした。 

普段どのようにして、
「体調管理」をしているか聞いてみたところ、

・何となく悪化している感じがわかる
・そういう時はすぐ検査をする
・数値が悪ければすぐ薬剤対応をする

ということでした。

その方のお話を聞いていると、
「神経質ではなく」
自分の体調の波をよく把握しているということ。

その小さな変化を見逃さずに
即対応しているということでした。 

同じ病気の人はみなさん
そうやって対応しているのか?
と聞いてみたところ、

症状は人それぞれ。
とした上で、やはり何かの事情で
その判断が遅くなったり、
体調の変化があるにも関わらず、

いつもそうだから~
まぁまだ平気だろう~
用事があってなかなか、、、

などなど様々な理由で、
検査、治療が遅れてしまう人は
その後の回復にも治療にも
時間がかかっている感じがするとのこと。

でも、

「無理はしない」

ということはできないとキッパリ。

つまり毎日生きてるだけで、
体はきついし、無理しないで、、という
範囲で生きていこうとするなら、
もう寝たきりか働かずに家にずっと
いるかしかないと。

だから「無理をしない」ではなく、
「無茶をしない」で対応する。

そこがすごく大事だと思うと。
教えていただきました。

早めの対応、無茶はしない。

これってどの病気であれ、
健康な人でも、みんなに通じる
話ではないかなと感じました。 


みなさんはいかがですか?

病気だから、、ではなく、
まだまだできること。
より良く生きる方法。

あると思います。

いっしょに見つけていきましょう! 










どうする?遺伝性血管性浮腫(HAE)の抜歯。


親知らずを2回に分けて、上下1本ずつ抜きました。

先生方がとても良く連携していただき、
発作を起こすことなく抜歯ができました。 

経験的なものですがそのマネジメントを
ご紹介しておこうと思います。 

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連携方法は、

①かかりつけの歯医者さん
②HAEの主治医
③抜歯をする口腔外科

の間で行いました。

HAEの患者さんが抜歯をする際、
その後の喉頭浮腫や発作の心配があるため、
予防的なC1インヒビター製剤の使用は保険適応です。 

▽HAEガイドライン
http://square.umin.ac.jp/compl/HAE/HAEGuideline2014.html 


ですので、予防投与を含めた管理を
主治医に相談しつつ進めました。 
流れは以下の感じです。 


①かかりつけの歯医者で抜歯を提案される。

②まずHAEの主治医である内科でその旨を伝え、
 C1インヒビター製剤の事前投与とその後管理について
 相談をする。

③内科から口腔外科へ院内紹介をしてもらい、
 口腔外科を受診。歯科医の先生と抜歯スケジュールを決定 

④歯科医から内科医へ連絡してもらい、
 日時と事前投与の予約日を確定。

⑤HAEの管理は、当日の予防投与、翌日と3日後までは
 フリーで発作時いつでも来院可能な準備。
 1週間後も歯科の消毒と合わせて同様に予約。

⑥抜歯当日含め3日は仕事も休みを取る。 

という流れで日取りを決めました。 

私の受診している九州大学は、同じ棟に口腔外科と
内科がありますので院内でとてもスムーズに
連携ができました。 

また、1本の歯を抜いて次を行うまでには、
十分な歯茎の回復と、
体調不良になることも
考えて念のため1か月以上あけました。

(一般の方だと2週間ほど空けるくらいで良いようです) 

当日は、

①抜歯30分前に主治医と体調確認、
 内科で点滴ルートを確保しつつ、ベリナートを3バイヤル投与。
②口腔外科に移動し抜歯
③終了後内科へ戻り、1,2時間ほど様子見て
 問題なければ帰宅。 
④当日以降、のどだけでなく、手や腹部などどこに発作が
 出てもすぐに来院するよう説明を受け、追加投与の準備も
 万端で終了
⑤追加投与の必要なく、順調に経過。 

という感じで終了できました。 
ちなみにトラネキサム酸は使用していません。
それでも、ほぼ全く「顔の腫れ」すらでず、
順調に回復しました。 


いかがですか? 

HAE患者さんが抜歯や歯の治療をする際、
「主治医との連携」
を外すことはできません。 

でも意外と?患者さん自身も
「まず主治医に相談しに行く」
ということをせず歯医者さんと
歯科大などにいきなり受診して
しまうこともあるようです。 

でも「遺伝性血管性浮腫(HAE)」がある。
というだけで、口腔外科は色々ミニパニックになります。 

・遺伝性血管性浮腫(HAE)ってなんだ!?
・喉頭浮腫になるかも????
・それはヤバイ。病棟あいてる?
・受け入れ可能なの??
・いきなりその場で窒息した場合の対応は?
・いやいやそもそもそんなことになったら、
 対応できないんじゃないの??
・病院としてその後の経過もみず、入院させずに
 帰して何かあったら、どう責任とるの?

ですから、HAEのみなさん、
①のかかりつけの歯医者さんで抜歯をした方が
いいかもと言われて、そこでいきなり抜歯は無謀
極まりないですが、さらにいきなり大学病院などの
口腔外科を受診すると想像と違う結果になることがあります。

ぜひ②と③で連携する必要性を
知っておいて欲しいです。 

つまり、
「誰が」
HAEの発作に関して責任を持つのか。
というところがないまま、
患者さんがあちこち受診するのは
とても危険が高いのです。

間に「主治医の先生」がいるだけで、
主治医の先生も発作の場合の準備を
しておけるので安心ですし、

口腔外科の先生も万が一の時は、
その病院または医師に連絡すればいい。
という安心感がありますし、
「歯を抜く」
という専門領域に集中すればいいので、
その点でも受け入れてもらいやすいです。  

また、HAEの患者さんは
いきなりううう!!!っと
窒息してしまうわけではありません。

浮腫は時間とともに現れますし、
悪化までにきちんと対応すれば
大丈夫です。通常の抜歯なら入院の必要もありません。

ただ、以前仕事を当日してから
抜歯に行き、翌日も仕事をした時は、
ズキズキ感半端なく1週間後に
また発作が出てしまいました。 

抜歯も手術ですし、普通の方でも
2,3日後に顔が変わるほど腫れる、、
という方もいますので、 
炎症期間中は大事を取ることも
大切かなと個人的には思います。  

患者会の方では、不必要に
ICUに入院しなくてはならなかった、
入院でないと抜歯しないと言われた。
歯科で対応できないと言われた。

など連携できていれば、、と思う
話も時折耳にします 。

逆に今回の私のように、
主治医と患者さんの関係が
スムーズだとその他の科を受診する際も、
問題なく、かかりつけの歯医者さんで
抜歯しても大丈夫だった!という
方もいらっしゃいます。

ぜひスムーズな方を選択して
連携していってくださいね。 





 





 








遺伝性血管性浮腫(HAE)と診断されるまで 


現在HAEJでは遺伝性血管性浮腫(HAE)の
啓発になればと新たに冊子制作を進めています。

たくさんの文字数を入れられないのですが、
その中で少しだけ、HAEと診断されるまでの
様子を入れるため数名の会員さんにお話を伺いました。

それぞれに診断されるまでの経緯は
異なりますし、発症した年齢も様々です。

でも共通していたことは、
診断された時、なぜ診断されたのか。

それは、

「HAEを知っている先生だった」

という非常にシンプルな理由でした。

そしていずれの方も、
診断はされたものの、治療に関しては
ようやくここ数年で受けることが
できるようになってきたところだということでした。

・HAEという病気の認知度の低さ。
・診断後、治療薬の 適切な使用方法の情報のなさ。

このことが、現在のHAEの診断と治療を
遅らせてしまっている大きなポイントだということを
改めて感じました。

医療者と患者、家族へ。

双方が同じ情報を共有しつつ、
より適切な治療を受けられるよう
啓蒙活動をしていく必要があると痛切に感じます。

冊子だけではなくこの経過や様子を
もっと詳しく伝えたい。

HPでもHAE患者さんやご家族の
ストーリーを今後掲載していきたいと思います。




▽世界希少・難病疾患デーRDD神戸を主催します
https://www.facebook.com/RDDKobe/




歯医者が怖い?遺伝性血管性浮腫と歯科治療

「歯の治療をすると顔が腫れて・・・」
「抜歯のあと、喉頭浮腫になって・・」
「怖くて歯医者に行ってません・・・」

こうした声は患者会の交流会で
必ずといっていいほど聞かれる言葉です。

遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作では
いつむくむかわかりません。

しかし、こうした外科的治療と呼ばれるものや
ケガなどをした際には、その後必ず
発作の症状が出現するという方がほとんどです。

特に歯の治療後、その治療部位に近い
顔がむくみ、それが少しずつ広がってしまい、
とても人に会うことのできないような顔に
なってしまう場合や、

奥歯の治療などの場合、喉頭浮腫で
息が苦しくなったり、危険な状態になることもあります。

そのため、HAE治療のガイドラインでも、
歯科治療や外科的治療前の短期予防投与が
推奨されています。

遺伝性血管性浮腫ガイドライン 

また、ガイドラインでは、
小さな侵襲では予防投与の必要はないと記載がありますが、

実際には、通常の簡単な虫歯治療でも、
その後顔中が腫れてしまう方もいらっしゃいます。

歯の治療などの際、
ベリナートの予防投与は保険で認められていますので、
遠慮なく主治医に相談しましょう。 

私も抜歯をした際には、
内科の主治医に相談し、歯科と連携してもらって、
治療の30分ほど前にベリナートを投与してから、
抜歯をしたことがあります。

その後も、もし喉に違和感など出現したら、
すぐ追加でベリナートを投与できるよう、
主治医が準備してくれていたので、
とても安心して過ごすことができました。

抜歯ってそれ自体がすっごく怖いですよね。

一般の方でも2日目以降、
ちょっと顔がちがう、、という位腫れますので、

HAE患者さんは事前に主治医と歯科医、
しっかり連携しておくことが大切だと思います。


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■HAEJの活動予定■

・12/16(土)患者交流会(大阪)

・2/24(土) RDD神戸主催 (神戸市内)

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